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2008年10月10日 (金)

阿片王 佐野眞一 その2

呆れてしまう。
人の家に土足で上がりこんで、やりたい放題やって、しかもそれが自分の家の繁栄のための実験だったってこと、日本はやっていたんだな中国で。知識として知ってはいたけれど、これでは、ロシアのグルジア侵攻、セルビアのコソボ侵攻、古くはイラクのクェート侵攻など、責めることはできないと思う。いや責めてもいいけれど、日本もこれだけの事をしていたという認識が必要だと思う。

どんなに、私利私欲に淡白であっても、里見甫の中国でやったことは許されるものはない。ただ、こういった醍醐味、スリル、緊迫感を感じる『仕事』には阿片と同じ魔力があると思う。自分はこんな器量はないけれど、自分がこの立場だったら倫理観を盾に、「絶対やらない」とは言えない。

梅村うた、梅村淳の謎に満ちた生涯。おそらく淳は性同一性障害だったんだろうな。レズとかセックスに対する佐野眞一さんの捕らえ方が、団塊の世代チックで偏見的なのは面白い。
でも、この二人の写真を見ると、なんとなく似ていて、最後にこの二人の姉妹説があったが、「さもありなん。」って感じ。
ただ、パワフルな女性だったことは確かで、今なら起業家でバリバリやっているのではないだろうか。

最初は、人間関係がまったく頭の中で組み立てられず、苦労したけれど、今最初の部分を読むと面白いように頭に入って行く。1.5回読みくらいしようと思う。

佐野眞一さんの取材は、鬼気迫るほど徹底しているが、狂言回しのような伊達に対する態度、感想を読むと救われるような気がした。最後のあとがきが全体を引き締め、この救いのない物語の唯一の救いのような気がする。

また、読みたい本が増えた。

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コメント

『阿片はアングロサクソンの代わりにわしがやっとるんだ』という里見甫の言葉が意味深くて面白い。
戦争は、国と国の国力の戦い、その当時は(今もそうだと思いますが)国そのものが無くなり、日本人という歴史が終わるかもしれないという絶望感の中での戦いだったかも知れませんねえ。
現実戦後60年以上たちますが、もうすでに中身が日本人の方は皆無かも知れませんねえ。
しかし取材の緻密さに鬼気迫るものがある本です。
無知な私に、この約1.7cmの本は厚み以上のものを教えてくれます。凄いパワー!

投稿: 南国生まれ | 2008年10月17日 (金) 13時38分

この本の系図づくりしています。
人間関係が私の頭で追いつかないほど複雑なので。
完成したらお見せします。

投稿: shoco | 2008年10月18日 (土) 09時00分

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